紅月さんの創作場

バドミントン小説「FlyUp!」完結済。次回作開始時期は未定。
超長編を毎日ちまちまと書いていく創作日記です。

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2014.08.27 Wednesday
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    その1822

    2012.06.21 Thursday 21:33
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       コロコロと瀬名の呼び名を変えて弾むように語る姫川を見ながら、清水は「進路かぁ」と呟いた。寂しげな様子を見て藤田が尋ねると、ため息を付きながら清水は言った。陰鬱な表情を張り付けたままで。

      「私らさ。もう中三じゃん。高校どこいくかとか決めないといけないし。私は……西高の家政科に行くって前から決めてるけど、あそこはそんなにバドミントン強くないし。でもバドミントンももう少し頑張ってみたいし」
      「それ言ったら私も、かな。私は頭的に緑聖高校かな。あそこは女子バドミントンそれなりに強いから、三年間で試合に出られるか分からないけど」
      「あ、私も緑聖狙ってるよ」
      「え!?」

       姫川の言葉に藤田が大きな声を出して驚いた。その場での急な驚きに清水と姫川が体をびくりと震わせて引いてしまう。二人の様子に気づいてはいるのだろうが、それよりもと藤田は言った。

      「姫川。あんた、もっとバドミントン強いところから誘い来てるじゃん。早坂と一緒にさ。青森の、えーと……」
      「青森山代でしょ? そうだねー」

       青森山城高校。青森市にある女子高で女子バドミントンではここ数年団体戦ベスト4を逃したことがない。それは毎年、実業団で活躍する選手を排出していることもあった。今、女子バドミントン界を牽引している選手ーーナショナルチームの半分は青森山代高校の出身だ。大会の後でしばらくインタビューを受けていた早坂が落ち着いたところで、青森山城高校の監督を名乗る男性が二人に声をかけてきたのだった。

      「早さんとのダブルスなら、もっと姫川もいいところいけるんじゃない?

      「もったいないって。特に理由ないなら行った方がいいよ」
      「あるよ、理由」

       清水と藤田が言い連ねるのを一言で止める姫川。首を傾げる二人に対して全く動じずに口を開く。

      「早さんとのダブルスは、何か違うなーって。あと、試合で戦いたいなって思ったんだよ。早さんと」

       自分の胸の中にある思いが目の前の二人にも伝わればいいのにと思う。理由なんてシンプルだ。同じチームで切磋琢磨するよりも、別のチームでぶつかり合いたいだけ。今回の大会で姫川が思ったのは、チーム戦の楽ししさ。仲間を信じて、自分は勝つことだけを目指してバトンを渡す。そうした繋がりが勝利に繋がるのだと知った。そして、もう一つ。

      「それに。私はせなちんとダブルスを組みたいって思ったんだ」

       早坂と組めばいいと誰もが考えるかもしれない。でも、自分にとって一番しっくりときたのは瀬名とのダブルス。男子は強い者同士が組むことで強くなり、女子は相性が良い者同士で強くなると何かの雑誌で読んだことが姫川にはあった。つまりは、瀬名とは気が合うのだろう。
       妥当早坂を胸の中に掲げた同士として。

      「せなちんとダブルスを組んで、早さんが誰かと組んだダブルスと戦いたい。案外、君長凛と組むかもよ?」
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      2014.08.27 Wednesday 21:33
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